約 4,706,597 件
https://w.atwiki.jp/pokecharaneta/pages/9933.html
ブレインデッド キャラクター コメント ピーター・ジャクソン監督のホラー映画。 1993年、アヴォリアッツ国際ファンタスティック映画祭でグランプリを受賞したコミカルなB級スプラッタ・ホラー映画。 北米ではすでに"Braindead"というタイトルの映画が存在したために"Dead Alive"と改題された。 キャラクター ベトベトン:ゾンビ コメント 名前 コメント すべてのコメントを見る 草案 キャラクター ルクシオ:ライオネル サーナイト:パキータ ハピナス:マクダビッシュ -- (ユリス) 2015-05-29 08 55 09
https://w.atwiki.jp/bskzodiac/pages/80.html
BGM制作秘話 1.Crimson Snow -Theme Of ZODIAC2- 2.残光 3.コピペ 4.眠れない夜 5.Night Walk 6.Dreaming Away 7.Crimson Snow (Rebirth Mix) 8.満天の星空の下で 9.Pulverschnee 10.冷汗 11.Time That Never Comes Back 12.HA 13.死戦 14.Floating Away 15.Bloody Battle 16.記憶の弁証法 ~ZODIAC~ 17.Truth? 18.De=Bug 19.今宵罪は密に、罰は己に、代償は全なり。時満ちる、流れゆく乱。 20.Holy Darkness 21.脳内パラダイス 22.TECHNOiA (Remix) 23.EOF 24.おいでませ、ゾウディアックビーチ 25.廃墟 26.Phantom Dance 27.包帯の下の真実 28.Destiny 29.Dead Zone 30.Nocturne Of Requiem 31.わしがデカブツや! ~天使の大仕事~ 32.Devil Within An Angel 33.Just A Theory 34.Crossroad 35.No.13 ~Shattered Destiny~ 36.Finale 未使用曲・未収録曲 BGM制作秘話 企画 アマゾニア 皆様、このような企画にまで目を通していただき誠にありがとうございます。 1年半近くにも及ぶ制作ともなりますといくつもの面白いエピソードが生まれてくるものです。 生まれるんだってば(ぉぉ) そこでここではBGMに絞り、その曲紹介とそれにちなんだ話を載せていきたいと思います。 サウンドトラックの方もダウンロードし、聞きながらこの企画を見ると より一層楽しめるかと思います。つーか聞きやがれ是非、ご観賞下さい。 なお、各曲のページでは先頭に曲の簡単なデータを載せてあります。 上から「タイトル」「作曲者」「主な使用状況」「ファイル種類/曲の時間」となっています。 ついでに各ページでは私の口調が少し変わっていますが気にしない方向で(マテ) あつひと氏コメント あつひと BSK Z2 PROJECT "ZODIAC2" BGM STAFF どーも、意外にメルマガでの(初めだけ)遭遇率高めだった気がするあつひとです。 =前置きなのかなんなのか= メルマガ内でも話題になりましたが、音楽は結構早めに終わっていたりしました。 のですが、僕にとっては長く苦しい時でもありました。 まぁ作曲を始めて1年そこらでスランプを自称するのも変ですが、 曲を作る事に違和感を覚え始め、初めは〆切に余裕を持って提出していた僕も、 〆切ぎりぎりや、それを過ぎてしまう事が多くなりました。 ホントに自分のやりたい事はなんなのか? そんな迷いの中でいい曲が作れるかと言うと、 答えはNOとしか言わざるを得ません。 ですが、今はやっと、だんだんと曲を作る事が楽しくなってきました。 もう終わってからでは遅いのですがw こんな中、作った曲ではありますが、 少しでもいいなぁと感じてもらえる曲があれば幸いです。 =曲の解説など= 11.「Time That Never Comes Back」 これはZ2に参加して初めてのお仕事での曲です。 いかがでしょう?怪しい洋館の雰囲気が伝わってくれれば良いのですが… 基本的に僕の場合は曲を作る時に、頭の中に映像があります。 それを一番再現できてたのはこの曲なのではないかなぁとか思っていたりします。 14.「Floating Away」 これも初期の頃の作品ですね。 僕の音楽のルーツはハードロックなのですが、 オルゴールやゆったり系の曲の方がウケがよかったりします。 何故?w ほのぼのした感じとちょっと切ない感じがしてくれればうれしいです。 06.「Dreaming Away」 名前を見て分かる通り、これは「Floating Away」の兄弟みたいなもんです。 初めエンディングに使う予定で提出したんですがボツになりましたw でも総指揮がボツにするには勿体無いと言って下さり、 こういう形になりました。感謝です。 12.「HA」 初めて自分でタイトルつけた曲だったりしますw 確か注文が―誕生日っぽくてどこか悲しい感じ― ではなかったかなぁと思います。(うろ覚え) どちらにでも聴こえる様にしたつもりでしたが、 ちゃっかり暗いですね(^^; まだまだ腕が追いつかない感じです… 19.「今宵罪は密に、罰は己に、代償は全なり。時満ちる、流れゆく乱。」 タイトルがやたら長いですw ここからが僕の苦悩の始まりでした…。 環境が変わった事もあったのでしょうか? 長野県から去年の4月に千葉に引っ越して今も住んでおります。 02.「残光」 これはもう曲が作れなくて、どーにか 「場面短いんでこのくらいの長さでよいですか?」 とか言い張って指定された曲の長さの半分まで縮めてもらいました(^^; いや。でも曲調注文で― 始まりっぽくてリア置いてきちゃったけどよかったのかなぁって ちょっとブルーな感じで、暗い感じで…etc と忘れてしまいましたが、やけに長かった気がします。 僕には難しいですってw しかもちょっとエンディングっぽい感じになってしまいました。 え?もう終わり??みたいなw 27.「包帯の下の真実」 もう既に場面想定なんてもんは頭の中にありませんでしたが、 ジェフのテーマみたいな感じの曲です。 最初二つ提出して、片方が自分で弾いたまま生っぽさを残した曲と、 今まで通りきっちりかっちりとした曲の二曲を出して、 二曲目になりました。 が、一曲目のイントロの連弾と言うか早弾きというか、が好評で、 それらしいのを出来れば二曲目に入れて欲しいと注文がありましたが… 無理でした。 24.「おいでませ、ゾウディアックビーチ」 幻のタイトル「ドキッ!男だらけの水泳大会」ってのがありましたw いつも通りアマゾニアさんに考えて頂いたのですが、 やっぱりセンスありますよねw ホントに迷った結果、ゲームに合う方にしましたが、 僕の中では未だに「ドキッ!男だらけの水泳大会」ですw 29.「Dead Zone」 僕の音楽のルーツの曲です。 ハードロックとヘビメタの混ぜた感じを目指しましたが、聴けるでしょうか? イントロは違うのですが、そこからごく普通の 8ビートの形になりますが、変拍子っぽく聞こえるよーにしてました。 でもやっぱりMIDIのギターはちとちゃちいですよね…。 いつかもっと実力がついたら作り直したい曲です。 31.「わしがデカブツや! ~天使の大仕事~」 ゾウディアックっぽくない曲で尚且つ戦闘曲っぽくない曲― という曲調注文を言われました。 驚いてくれたらしてやったり♪って感じでしょうかw =タイトルについて= タイトルは「HA」以外すべてアマゾニアさんです。 あれ?総指揮にもつけてもらった気が…。 英語のヤツは総指揮かもしれません(つけてもらったのに忘れた恩知らず) アマゾニアさんと陽炎さんに感謝です。 1.Crimson Snow -Theme Of ZODIAC2- 曲名 Crimson Snow -Theme of ZODIAC 2- 作曲 dj.zAwA / Rebirth 使用場面 メインテーマ&Destinyエンディング OGG 04 27 Destinyエンディング曲にしてゾウディアック2のメインテーマでもある本曲。 メインテーマである筈なのに一番聞くのが難しい。 しかし、だからこそ聞いたときの感動はまた格別。 元々この曲は先に公開されているサンプル曲のようにトランス系の曲であった。 しかし作曲者であるdj.zAwA氏のHDDがクラッシュ! 元データは天国へと召され、結局サンプル曲のみが残された。 そこでdj.zAwA氏が元データ無しに耳コピのみで可能な限り再現、 さらにアレンジを加えたものが現在の完成品となっている。 これはClub Mixと呼ばれ、メインテーマとして使用されている。 一度ゲームのスタート画面で流そうと言う試みがあったが、 タイトル画面にしては騒がし過ぎた為、あっという間に廃案となった。 なおdj.zAwA氏はゾウディアックの専属のスタッフではない。 フリー作曲家である氏と、陽炎と私はゾウディアック制作以前から4年近い親交がある。 当時はBGMスタッフが皆無であった為、氏に発注をかけたところこれを快諾。 こうしてゲームのメインテーマは生み出された。 タイトルであるCrimson Snow(紅き雪)はゾウディアック2の、 ゲームにおけるイメージを端的に表したものである。 タイトル素案としては「残光」「雪風」などがあった。 2.残光 曲名 残光 作曲 あつひと 使用場面 本編OPバス車内 OGG 01 22 本編を開始するとまず聞こえてくるのがこの曲。 よってこの曲の印象はバスかビリーとなるだろう。 よかったね、ビリー。テーマ曲があって(違) 冬の明け方の日差しをイメージさせる柔らかい曲調となっている。 タイトルはそのイメージから取られた。 元々「残光」というタイトルはメインテーマである 「Crimson Snow」に対して私が挙げたタイトル素案の一つであった。 私はタイトル発案時には直感に任せ10分前後で5~10程度の素案を挙げるが 時々別の曲に落選したタイトルを持ってくることもある。 これを手抜きと言ってはいけない(爆) なおBGMのタイトル全般に言える事であるが、何故か作曲スタッフは 自分でタイトルを付けないということが半ば慣習化してしまっている(汗) その度に私がでしゃばることになり、結局のところ20曲程度が私の命名になっている。 自分の曲なんだからもう少し愛着を持って名付けようよスタッフ皆さん(汁) タイトル素案としては「哀憐華」「終わりの始まり」などがあった。 3.コピペ 曲名 コピペ 作曲 鹿討奏 使用場面 山荘/夕食時 OGG 01 59 山荘に到着してから夕食が終わるまで流れるのがこの曲である。 ゆったりとした時間が流れる、そんなリラックスした雰囲気が感じられる。 ところでタイトルリストを見たときに100人中100人が突っ込まずにはいられない、 そんなタイトルだがこのタイトルが決まるまでにはこんな深い事情があったのである。 いつものように注文に対し、それ以上の曲をアップしてきた作曲者、鹿討奏氏。 その時アップされたファイルと共にこんな書き込みがされていた。 「コピペを繰り返して短時間で作った曲です」 それに対し私は複数のタイトル案とともにこんなコメントを残した。 「じゃあタイトルは…『コピペ』で(ぉ」 *「(ぉ」…自己に対する一人ツッコミ。周りから見ると痛い場合が殆ど(爆) 「(ぉ」から読み取れるようにもちろん私は冗談のつもりでこのタイトルを挙げた。 しかし鹿討奏氏は一味違ったレスポンスを返してきた。つまりは「コピペ」の採用・・・! こんなノリでゾウディアックは作られています。 4.眠れない夜 曲名 眠れない夜 作曲 ゆでこ 使用場面 山荘/自由行動 OGG 00 38 夕食が終わり主人公が自由行動に移るとこの曲がかかってくる。 主人公はプレイヤーの操作の元、意志を持って行動している時である。 夜の気だるさと、まだ寝るには早すぎるという感情。 そして夕食後と言う団欒の時、宿泊客らは思い思いにそれぞれの時間を過ごしている。 どこかの片田舎の流れにも似た雰囲気が漂ってくることだろう。 大人しく寝るにはもったいない、そんな心境からこのタイトルが付けられた。 ちなみにゆでこ氏もdj.zAwA氏と同じくゾウディアックの専属スタッフではない。 いくつかの曲をまとめて提供してくださっている。 なお、基本的にゆでこ氏の提供する曲のタイトルは陽炎が付けている。 …だってタイトル決めのチャンスすらくれないんだもん(泣) 5.Night Walk 曲名 Night Walk 作曲 ゆでこ 使用場面 山荘/深夜行動、ハンティングレクチャー OGG 00 47 自由行動も終え、意味深な夢を見た後に外に出掛けると聞くことが出来る。 あるいはハンティングレクチャーを受けるともっと早く聞くことが可能だ。 探検とまではいかないが、何やらわくわくするような気分にならないだろうか? タイトルはそんな夜を闊歩する主人公の状況を表したものとなっている。 6.Dreaming Away 曲名 Dreaming Away 作曲 あつひと 使用場面 山荘/回想 OGG 01 01 深夜行動の際、裏口に向かった主人公ディーンは不思議な光景を見る。 白い。 ただ白い。 遠き日のリアルなのか、ただの幻想か。 夢のような曖昧なシーンでこの曲が流れる。 宝箱を開けるような思い出が蘇りそうな曲である。 タイトルはそんな夢見のイメージから付けられた。 7.Crimson Snow (Rebirth Mix) 曲名 Crimson Snow (Rebirth Mix) 作曲 dj.zAwA / Rebirth 使用場面 アステリオス戦 OGG 02 48 地下迷宮の番人、アステリオスとの戦闘曲。 タイトルからも分かる通り、メインテーマのCrimson Snowのリミックス。 Rebirthとはdj.zAwA氏の別名義。 Rebirth名義での有名曲に「さいたまcore」シリーズが挙げられる(笑) 元々はRebirth氏の既に発表されていた別の曲を用いる予定であったが、 氏がこのリミックスを作ってくれたのでこちらに変更された。 ちなみにこの曲、フルサイズでは9分36秒と凶悪な長さとなっている。 なおCrimson Snowというタイトルであるが、ゲームの副題として使うと言う 案が出たことがあったがこれは間も無く廃案となった。 タイトルはゾウディアック→冬山→雪 →血塗られた運命→紅い雪というイメージで付けられている。 8.満天の星空の下で 曲名 満天の星空の下で 作曲 ゆでこ 使用場面 天体観測所ステージ OGG 01 26 天体観測所ステージのステージ曲。 まるでプラネタリウムショーを見ているかのような感覚を感じられる。 曲単体を聴くとあまりホラーらしさは感じられないかもしれない。 しかしミステリアスな雰囲気を醸し出してはいないだろうか? ゆでこ氏は一番最初に複数のサンプル曲を一度に提供してくれたのだが、 これらには特にタイトルが付いていなかった。 そこで陽炎がタイトルを決めていったのだが全て英語であった。 聞くとこれからは全て英語で統一するとのことだったが、 私は「別に日本語が入ってもいいじゃない」と述べた。 すると今度は「じゃあ全部日本語に統一します」と全てを和訳してきた。 そこで私は「いや、別に似合うならどっちでもいいじゃん」と述べ、 結局今のスタイルに落ち着いたのだった、ちゃんちゃん(ぇ) タイトルは観測所のイメージそのままから。 元々は「Under the shining stars」というタイトルであった。 9.Pulverschnee 曲名 Pulverschnee 作曲 ゆでこ 使用場面 山荘ステージ OGG 00 38 無人の山荘ステージのステージ曲。 タイトルはドイツ語で「粉雪」を意味する。読みは「プルファー・シュネー」 ゲーム中で出てくるこの名前。 山荘のかつての名前であることはご存知の通り。 山荘の名前を決める際にシナリオを考慮し、 陽炎と共にドイツ語辞書を漁って出た結果が名前となっている。 Pul・ver・schnee [プルファー・シュネー](男性名詞) 〔(単数の2格)‐s/複数なし〕粉雪,パウダースノー Per・ma・nenz [ペルマネンツ](女性名詞) 〔(単数の2格)‐/複数なし〕永続[性];恒常性 in Permanenz永久〈恒常的〉に;絶えず 「プルファー・シュネー」がかつての名前。 「ペルマネンツ」が現在の名前。 ロバートの心情は察して余りあるものだと言うことが理解できる。 10.冷汗 曲名 冷汗 作曲 ゆでこ 使用場面 特定緊迫イベント時 OGG 01 25 緊迫した場面などで用いられる曲。 天体観測所でパートナーが連れ去られるタイムイベントなどが主な使用状況。 ゲーム製作の初期ではフリー素材CDやフリーで公開しているサイトなどから 曲を拝借していたが、やはりゲームオリジナルの曲が欲しい、 ということでこの曲が選ばれた。 つまりこの曲もゆでこ氏が先に提供してくれていた複数の曲素材の一つである。 焦燥を煽られ、手には汗を握り、鼓動が早くなってゆく。 奇しくも我々プレイヤーは主人公と同じ心境へとシンクロし、ユニゾンしていくのだ。 11.Time That Never Comes Back 曲名 Time That Never Comes Back 作曲 あつひと 使用場面 洋館ステージ OGG 02 20 突如出現した洋館のステージ曲。 出現した、というのは適当ではないのかもしれない。 彼らはただそこに居ただけなのだ、居続けただけなのだ。 さて、曲の方であるが「正統派ホラー」と言うに相応しいのではないだろうか。 ピアノと言う楽器が、これほどまでに暗い顔を見せるものかと思えたほどである。 さて、このタイトルに限らず大抵のタイトルに言える事だが 曲のイメージに合わせてタイトルを決めるのではなく、 使われる場所のイメージから作られたものが多い。 このタイトルも洋館と言うステージを思い起こせば納得の行くものであろう。 決して時は戻ってはこないのだ・・・変化することはあるが。 12.HA 曲名 HA 作曲 あつひと 使用場面 洋館/オルゴール OGG 00 48 洋館ステージラストで聞けるオルゴールの曲。 このイベントの為だけに制作された。 本来明るい綺麗な曲である筈なのに、一度洋館をプレイすると 何故か明るさの裏側に悲壮感を感じるようになってしまう… あなたはどのように感じただろうか? それが洋館というシナリオに対するあなたの感情かもしれない。 さて、何かの略語なのかと思われるようなこのタイトルであるが これはゲーム中にも出てきた「HA」と同じである。 果たしてそこに書かれていた文字は「HAPPY BIRTHDAY」だったのだろうか。 なおこの「HA」を含む、洋館の基本シナリオはタキケンが創作している。 残念ながら諸事情からタキケンはゾウディアック2製作の表舞台から 去ることとなってしまったが、洋館のアイディアは生き続けた。 この曲が提出された時、複数人(私含む)でタイトル素案を出したが あつひと氏の要望から「HA」が選出された。 「生誕組曲」「生まれ行くあなたへ」「Rebirth」「回帰」などが挙げられた。 13.死戦 曲名 死戦 作曲 鹿討奏 使用場面 通常戦闘 OGG 02 47 通常戦闘時にかかるこの曲。 これを聞く度にビクッとする方も多いだろう(ぉぉ 戦闘はゾウディアックの売りの一つであり、 それを盛り上げる戦闘曲も当然力を入れられた。 当時、作曲者鹿討奏氏に出された注文は 緊迫感、焦燥感を煽るが恐怖感まではいかない。 特に緊迫感を重視 神聖系にロックを混ぜたような曲 など細かいものであったが見事に期待に応えた曲が出来上がった。 複数人から複数のタイトル案が挙がったが 氏が選択したのは私の提案した「死戦」であった。 候補の中で唯一漢字だったのが注目されたのだろうか(ぇ 他には「Ballet Dance」「byonetto dance」「tactical rhythm」などが挙げられた。 14.Floating Away 曲名 Floating Away 作曲 あつひと 使用場面 Cloudエンディング OGG 02 47 ディーンが雲に乗って遥かなる旅へと回帰する際に流れる曲。 全体的に見れば主人公の存在が否定された上に死亡するという この上なく不幸なエンディングである筈なのに、流れる曲は暖かい。 主人公本人にとってこの結末は不幸だと言えたのだろうか? 隣に寝そべってくれる雄大で偉大なあの人がいてくれる。 それだけでも十分な救いになっていたのだろうか。 この曲が提出された時、何故か私はタイトルを考えることが出来なかった。 もう当時の心境など忘れてしまったが、 思い浮かばないほどの何かがあったに違いない(何) 15.Bloody Battle 曲名 Bloody Battle 作曲 鹿討奏 使用場面 ロックス戦 OGG 01 59 ゾウディアックが召還した最後の怪物、ロックス戦での戦闘曲。 聴けば分かると思うがこれは「死戦」のリミックスである。 物の怪の遠吠えから始まり、原曲以上の激しい音へと代わる。 ひたすら焦燥感と緊迫感を煽られることだろう。 タイトルだが死戦を意訳し、このタイトルにした。 鮮血の飛び散るが如き激戦死闘が垣間見えてきそうである。 ちなみにタイトルは私と陽炎と鹿討奏氏とでチャットをしている最中に決まった。 鹿「と言う訳で曲出来たんで聞いてくださいな」 陽「おお!いいですねぇ、お疲れ様でした」 ア「タイトルは…Bloody Battleですかね?」 陽「死戦と同じじゃないか(笑)」 鹿「それいい!」 ア「いいとか言ってるぞ(笑)」 わずか3分間での即決であった(爆) 16.記憶の弁証法 ~ZODIAC~ 曲名 記憶の弁証法 ~ZODIAC~ 作曲 鹿討奏 使用場面 支配者戦 OGG 02 07 支配者ゾウディアックとの戦闘で聞ける曲。 不安感を煽るコーラスから始まり笑い声にて収束する。 そう、この曲の主人公は「声」なのだ。 タイトルであるが窓ガラスを割ったからいくら払え、の弁償ではない(爆) 弁証法とは仮設的命題から出発しつつ、その仮設からの帰結にもとづいて 当の仮設的命題自身の当否を吟味する論理的手法を意味する。 訳分からんと思ったあなた、私も訳分からん(死) ある問題、矛盾に対してその正否性を問う方法と考えればわかりやすいか。 つまりはゾウディアックという土地に記されたディーンとジェフという記憶。 この当否を問うことこそが支配者の命題でもある。 その一連の流れそのものが、本作ゾウディアック2の中核を成している。 17.Truth? 曲名 Truth? 作曲 鹿討奏 使用場面 Vanishエンディング OGG 03 10 恐らくは全エンディング中最も悲壮感に満ちたVanishエンディング。 このラストを飾るのが本曲だ。 何か月下美人と呼ばれる短命の花を思い浮かべた。 薄れゆく悲しみにも似た雰囲気を醸し出している。 タイトルである一つの解決方法としてお互いに撃ち合い、 ジェフが消えることを解としたが本当にそれでよかったのか? 本当にこれしか手が無かったのか?これが本当に真実なのか? という疑惑に駆られた苦悩を表現した。 18.De=Bug 曲名 De=Bug 作曲 鹿討奏 使用場面 Fusionエンディング OGG 02 00 大団円とも言えるし、ある意味ゲームオーバーとも言えるFusionエンディング。 あまりにも他のエンディングとは違う方向性に唖然とした方も多いだろう(ぉ) 曲もそのエンディングのとらえ方によってまたイメージが変わってくるだろう。 ゾウディアックでさえこのような解決方法は望むべきものではなかったであろう。 あまりにも面倒な解決だったと言えるかもしれない。ただしこのエンディングでのみ救われる者もいるのだ。 結果を修正するのではなく、問題の発生、つまり根源(ソース)そのものを修正する。 そのようなゾウディアックの行為からデバッグというタイトルが生まれた。 ちなみにFusionエンディングは何度も廃案になる危機に瀕した。 時間が無い、と言うことが最大の理由である。 しかし無くすには惜しいエンディングということで 何とかお蔵入りを免れたという曰く付きのエンディングである。 19.今宵罪は密に、罰は己に、代償は全なり。時満ちる、流れゆく乱。 曲名 今宵罪は密に、罰は己に、代償は全なり。時満ちる、流れゆく乱。 作曲 あつひと 使用場面 虚無空間/支配者戦 OGG 01 55 ・・・とりあえず能書きはいい、言いたい事は分かっている。 ああ分かっているさ、分かっているとも。 「タイトル長ぇよ」 いや、だってそういうフレーズが思い浮かんじゃったんだもん。 あつひと氏だってそれを選んだんだもん。俺悪くないってば。 ・・・ああ、石は投げないで_| ̄|● タイトルは最後の審判そのもののイメージから来ている。 20.Holy Darkness 曲名 Holy Darkness 作曲 鹿討奏 使用場面 支配者のテーマ OGG 03 22 この序曲を聞けばはっきりと彼の顔がイメージ出来るだろう。 薄ら笑みを浮かべた、支配者ゾウディアックが。 ゲーム中ではShort Loopと銘打たれているショート版とロング版が存在する。 と言うのも前半と後半で丸っきり雰囲気が違うのだ。 ショート版ではこの前半が用いられている。 ゾウディアックの持つ怪しさ、畏怖が現れたまさにぴったりの曲である。 そしてガラリと雰囲気の変わる後半をも含めた終盤で聞ける曲。 こちらはロング版となっている。 地下迷宮で初めてこの曲を聴いたときそれまでのこの曲が持つ イメージとは大分かけ離れたものになっていることに驚くだろう。 この大きすぎる変化が逆に不安感を煽っている。 21.脳内パラダイス 曲名 脳内パラダイス 作曲 鹿討奏 使用場面 お笑いイベント発生 OGG 01 08 シリアスなゲームイメージが急降下で超落下ってとこですか(ぇ) この曲が掛かると脱力すること間違い無しでしょう。 お笑いエンドを設けよう、という提案は初期から普通にあった。 ゲーム中では完全に独立したシナリオ、 と言う訳ではなく特定の選択をした場合にのみ お笑いイベントが発生するようなスタイルになっている。 その度にこう来られちゃ、やってられんなあ(ぉぉ) お笑いシナリオを製作したのは陽炎だが、毎回毎回腹筋が痛くなります(笑) あらゆるエンディングよりも衝撃的な結びを迎えるラスト、如何でしたか?(ぉぉ) タイトルの決定には次のような過程があった。 陽炎がいつものように私へタイトル提案の仕事を依頼する際に 「タイトルは…脳内パラダイスですかね?(笑)」と書かれていた。 すると鹿討奏氏はそれをいたく気に入り、そのまま採用となった。 あとには無駄に貯まったやる気をどこにぶつけていいのか 路頭に迷う私が残されただけである(吐血) 22.TECHNOiA (Remix) 曲名 TECHNOiA (Remix) 作曲 dj.zAwA / Rebirth 使用場面 ステージボス戦 OGG 03 07 各ステージのラストを飾るボスとの戦闘で聞くことが出来るこの曲。 各ステージにボス、という図式も前作ではあまり考えられなかった図式である。 ここからも「アドベンチャー風サウンドノベル」としての前作から、 「サウンドノベル風アドベンチャー」としての今作の姿勢が伺えるだろう。 さて、この曲であるがゾウディアック用に作られたものではなく、 dj.zAwA氏が以前に作られた曲を使用させていただいたものである。 ちなみに氏は大概の曲を自由に使用することを許可している。 曲に困ったら氏のサイトを訪れることも一計だろう。 なお、タイトルから分かる通り、この曲には原曲がある(TECHNOiA) しかし氏は「あれは糞曲だからねぇ~」と仰られる。 何か嫌な思い出でもあるのだろうか?(ぇ) 23.EOF 曲名 EOF 作曲 鹿討奏 使用場面 廃坑ステージ OGG 03 03 「ゾウディアック2完成版+」にて使用予定 ※これだけの詳細だったのでノーコメントですが、感想は管理人が簡単に執筆しています。 廃坑の洞窟に入った瞬間、それに合わせたテーマが耳に流れてくる。 おまけに廃坑の洞窟だけに出る巨大プロックスとの組み合わせは必見さが高い。 ちなみにEOFは「End Of File(エンド・オブ・ファイル)」の略でファイルの終端を意味しており。 上記通りに過去に起きたゾウディアックの炭鉱の事故と裏付けになった曲である。 24.おいでませ、ゾウディアックビーチ 曲名 おいでませ、ゾウディアックビーチ 作曲 あつひと 使用場面 Wifeエンディング OGG 01 19 この曲をゲーム中で聞いたそこのあなた。 ご愁傷様でした(爆) 元々はお笑いエンドのスタッフロールでは「ゾウディアックビーチ」という 海辺を舞台に各キャラクターたちがはっちゃける絵が表示される予定であったが 絵師への負担からこれは廃案となった。 その時の名残でタイトルはこのようなものとなっている。 前作ゾウディアック1で大好評頂いたお笑いエンド。 (正確には純粋なお笑いではなく単なるハッピーエンドの為の通過点に過ぎないのだが) 勿論今作でもお笑いシナリオは盛り込もうという 計画が出たのもごく自然な流れ、必然であった。 …なんで本編の会議よりも盛り上がりますか、スタッフの皆々様(ぉぉぉ) それだけ密度の濃いぃネタが次から次へと提案され、 ついには完全にお笑いのみのシナリオが誕生した。 スタッフを代表して全ユーザーの皆様に一言言います。 _| ̄|● ごめんなさい(滅殺) 25.廃墟 曲名 廃墟 作曲 鹿討奏 使用場面 廃村ステージ OGG 01 59 既にその機能すら意味を成さなくなった廃村ステージでの曲。 とある事件からその存在すら失ってしまうことになった村には陰湿な雰囲気が漂う。 元々は洋館の曲を選定する際に提出された複数のサンプル曲の一つであった。 鹿討奏氏はこちらから出された洋館のBGMのイメージを元に作曲を試みた。 最終的に3つのサンプルが生まれた。 ここから洋館用BGMが一つ選ばれた訳だが、それだけでは残った2つが勿体無い。 そこでイメージがぴったりであった為、他へと流用された。 一つは先のBGM「EOF」、そしてもう一つがこの曲「廃墟」である。 タイトルには特に異論は無いだろう。 ブルースにも似た、哀愁と隠微感に満ちた曲調となっている。 26.Phantom Dance 曲名 Phantom Dance 作曲 鹿討奏 使用場面 スキー場ステージ OGG 02 23 不自然なまでに静まり返ったスキー場で聞くことが出来るこの曲。 それまでのステージ曲とは趣の違う曲の方向性に驚きを覚えた方もいるだろう。 重い、そしてひたすらに緊迫感が襲いくる。 私が鹿討奏氏に求めたイメージは「静かな狂気」であった。 どうであろう? 派手さこそ無いが一歩一歩、確実に追い立てるような狂気が感じられないだろうか? なお、スキー場ステージは私がスクリプトを担当したステージでもある。 スキー場は初期の山荘出発時の選択肢上、初回ステージとして選ばれる可能性が高い。 つまりはゲームをさらにプレイするかどうかをユーザーが判断するという重要な位置付けになる。 陽炎よ、何故に天体観測所の体験版化といいスキー場といい 重要なステージばかり俺の担当にするかなぁ(吐血) タイトルは騒霊たちの狂った舞踏曲、そんなイメージから付けた。 27.包帯の下の真実 曲名 包帯の下の真実 作曲 あつひと 使用場面 ジェフのテーマ OGG 01 59 名を偽り、姿を包帯で隠し、過去を隠す男、ジェフのテーマ曲。 ジェフ、という名前は妥当ではないことは既にご存知であろう。 この曲はそんな悲しみを持つ彼に相応しいメロディとなっている。 ところで主人公クラスの役どころなはずなのに出番が少ないジェフ(ぉ) なんと支配者よりも出番が少ない(爆) それどころか進め方次第ではビリーよりも出番が少ない。嗚呼…(ぉぉぉ) 28.Destiny 曲名 Destiny 作曲 鹿討奏 使用場面 Cloud、Vanish、Proxエンディングクレジット直前 OGG 01 55 C、V、Pエンディングへの直前、ジェフとの撃ちあいイベント後にこの曲が掛かる。 ディーンか、ジェフか。 どちらが真のディーンなのか。 結論が今… 私は初めてこの曲を聞いたとき「これがMIDIか!?」と感嘆の意を持った。 ちなみにこの曲のタイトルを決める際にある事件が起きた。 いつものように鹿討奏氏から曲が提出された。 「タイトルは付けてませ~ん、つーか早く考えろよ愚民が」(一部誇張) そこで私は同じくいつものようにレスポンスを返した。 「10分で7つ程度考えました~、つーかこのぐらい自分でやれやボケが」(一部脚色) そのタイトル案の中に問題があった。 「J or D」(ジェフか、ディーンか) 実はこのタイトル、鹿討奏氏がMIDIを制作する際に仮につけたメタファイル名であった。 通常に再生すると確認できないこのメタファイル名、何故か私はMIDIを解析していた(ぇ) 当然、氏は自分が考えていたタイトルがあったのでそれを選んだ。 しかし私はやっぱり白状してしまった。 「実はタイトル解析して知ってました、てへっ」 鹿討奏→ Oノ ノ\_・’ヽO. ←アマゾニア └ _ノ ヽ 〉 29.Dead Zone 曲名 Dead Zone 作曲 あつひと 使用場面 Proxエンディング OGG 02 26 抗うことを選択した2人のディーン。 熾烈極まる未来を選択した今、目の前の脅威たちとの戦いが始まった― プロックスの大群との戦いの最中、この曲が聞こえる。 死地死闘そんな状況からこのタイトルが選ばれた。 このタイトル決めの際にこんな発言があつひと氏からもたらされた。 「かっこいい名前っすねぇ~、トップガンの曲名(Danger Zone)みたいで(笑)」 ○ ノ|) _| ̄|○ し 元ネタばらさないで下さい、安西先生… ちなみにこの曲の製作依頼が陽炎から氏にもたらされた時、 そこにはこう言うイメージで、という注文が載っていた。 「天下分け目の大合戦」 この単語のためにお互いのイメージしていた内容に相違が生じ 合計3度にも及ぶやり直しが入る事となった。 陽炎は激しいギターサウンドを求めていた。 あつひと氏は単語からスターウォーズのような戦争物を思い描いた。 制作の難しさを物語る曲である。 30.Nocturne Of Requiem 曲名 Nocturn of requiem 作曲 鹿討奏 使用場面 地下迷宮ステージ OGG 01 52 全ての源流へ 始まりの地にして終わりの場所。 アルファでありオメガである。 ゾウディアックの山奥、その奥深くに鎮座していた地下迷宮。 不可思議なステージ、地下迷宮で流れるのがこの曲。 何ともノスタルジックで神秘的な曲ではないだろうか。 タイトルは曲が出来る前に先行提案していたタイトル「鎮魂の夜想曲」を英訳したもの。 31.わしがデカブツや! ~天使の大仕事~ 曲名 わしがデカブツや! ~天使の大仕事~ 作曲 あつひと 使用場面 デカブツ戦 OGG 02 08 「ゾウディアック2完成版+」にて使用予定 ※これだけの詳細だったのでノーコメントですが、管理人が簡単に執筆しています。 「これは本当に戦闘曲なのか?おまけにデカブツは天使なのか?」 上記の言動に合わせた、わくわく感が出る曲であり楽しみをにぎやかにする曲で その音楽は禁断のシナリオのお笑いシーンでも使われている。 32.Devil Within An Angel 曲名 Devil Within An Angel 作曲 ゆでこ 使用場面 地下迷宮/ジェフとの会話 OGG 01 07 地下迷宮で衝撃的な内容を聞かされる。 …ジェフから。 その記憶は主人公を揺さぶり、ここにきて物語は意外な方向性を帯びる。 そんな会話の中でこの曲がかかる。 ジェフという人間の存在感が一気に膨らむこのイベント。 このイベント内容は製作開始初期から既に存在し、ほぼ完成していた。 途中ステージや各種イベントの詳細が刻々と変化変更される中で このイベントだけは、不動の存在であった。 ドッペルゲンガーという言葉がある。 2人目の自分の意を持つドイツ語だ。 だが世間一般で語られる都市伝説のそれとは違い、 ゾウディアックの2人のディーンは全くのコピーではない。 確かに厳密にはコピーである。 だが考えてみて欲しい。 或る人のクローン人間が誕生し成長したとする。 果たしてそのクローン人間は元の人間と同一人物だと言い切れるだろうか? 確かに肉体に刻まれた遺伝子情報は同一だろう。 だがその人の育った環境、人間関係、経験。 これら後天的要素がその人間の人格形成その他に 多大な影響を与えることを忘れてはならない。 全く同じ環境で育った一卵性双生児である双子ですら同一人物にはなりえない。 だが… 人生のある地点までの情報を共有した2者の場合は? どこまでが自分でどこまでが他者になるのだろうか? 33.Just A Theory 曲名 Just A Theory 作曲 ゆでこ 使用場面 山荘/瀕死のロバートとの遭遇 OGG 01 07 この曲を聞いている頃、 あなたは怒涛の如く押し寄せる流れに少々混乱しているかもしれない。 ゆっくり立ち止まっている暇など無い。 ブレーキの壊れたトロッコに乗ってしまった、あとは身を任せるしかない。 愛する人を失った人たちがいた。 絶望に駆られ、伝説に縋りついた人たちがいた。 彼らは生きることに疲れたわけではない。 ただ生きる目的のベクトルが通常のそれとはあまりに違うだけなのだ。 最期の最期で間違いに気付いたロバート。 いや、気付いてしまったのかもしれない。 その事実は、本当に彼のちっぽけな幸せに繋がったのだろうか。 洋館の主人、山荘の管理人ロバート。 彼らが本当に幸せだったかどうかは本人のみぞ知る、と言った所か。 34.Crossroad 曲名 Crossroad 作曲 ゆでこ 使用場面 16年前の冬回想シーン OGG 00 33 全ての始まりの日、場所。 あの時少年は悩んだ。そして決めた。 ディーンが語った己の過去。 だがそれはある運命の分岐点でもあった。 タイトルはそんな運命の交差点から来ている。 さて、ディーン少年の2通りの選択であるが どちらが良い、悪いと一概に決めることが出来るだろうか。 取りうる選択肢が限定されているという状況。 だがその選択ゆえに自らの行動を後悔してしまう。 後悔は別の選択肢を呼び起こし、運命をぶれさせる。 「あの時こうしていれば…!」と激しい後悔することで 別の選択肢を選んだもう一人の自分がふいに誕生する。 その事で起きる矛盾を修正する為にその土地が修正に乗り出す。 この基本的な流れは製作開始前より陽炎が暖めていたアイディアである。 初めてゾウディアック2の製作を知らされ、原案を読んだ時は思わず唸った。 そして「絶対最後まで製作に付き合ってやるぜ」と心に決めたものだった。 …ええ、昔の、話です…(誰) 35.No.13 ~Shattered Destiny~ 曲名 No.13 ~Shatterd Destiny~ 作曲 あつひと 使用場面 Time That Never Comes Back exorcist Mix/虚無空間 OGG 02 40 サウンドトラックのオリジナル曲か?と思ってしまう方も多いことであろう。 ゲーム中ではこの曲の1分過ぎからの20秒程度のみが声を除いて用いられているからだ。 地下迷宮奥、虚無空間で聞くことが出来る。 さて、曲の簡単な概要欄を見て「ああ、あの曲のリミックスか」と思われたことだろう。 そう、洋館の曲である「Time That Never Comes Back」のリミックスである。 この曲が誕生するのには次のような経緯がある。 ゲーム制作において作曲に関する仕事は一番先に終了した。 もちろん作曲スタッフに他の仕事を与える訳にはいかないから一旦暇になると言うことである。 そして作曲が出揃ってからゲームが完成するまでの期間が結構延びたため 暇を持て余した(違)あつひと氏が動いた。 当時、ゲーム製作と並行でクリア後の特典やおまけなどの製作も進んでいた。 そして氏はセルフミックスを行った。 不意に提出されたその曲を聴いた私は一日中その曲を流しっぱなしにしていた(爆) ツボを突きまくっていましたよ、ええ(何) 氏は「タイトルは…Time That Never Comes Back exorcist Mixですかね(笑)」と言った。 確かにいいタイトルだ、エクソシストっぽいし。何より氏自らの提案とあれば…! 「何故かNo.13 ~Shatterd Destiny~というタイトルが浮かんでしまいました」(某A氏談) 僅か一行で前言撤回というのも男らしいですかね?(死) 「No.13」とは、呪われているという意味合いと共に BGMのファイル順で13番目のファイルだったというところからも取られている。 「Shatterd Destiny」とは「砕かれた運命」の意。 洋館の一家、ディーンら。それに巻き込まれた山荘客たち… 何かが、進行している。 36.Finale 曲名 Finale 作曲 鹿討奏 使用場面 ゲーム終了後 OGG 00 30 この曲を聴いているあなたは一体どのような気持ちだろうか。 安堵?悲壮?怒り?理不尽? この物語に一つの結末が訪れる時、 これがゲームであったことを思い出させる。 この曲の印象。 それは他ならぬプレイヤー自身の心理状況で決まるだろう。 すなわち、どのエンディングを通ったかで変化する。 その為、曲単体では暗過ぎず、明る過ぎず。 期待も与えず、絶望も無い。 この曲はあなたの心を映す鏡なのだ。 未使用曲・未収録曲 サウンドトラック未収録曲 ここではゲーム中で用いられながら諸事情から サウンドトラックには未収録の曲について紹介していく。 なおここで紹介される曲の殆どが効果音的な用いられ方をされている。 恐怖系BGM 作者 鹿討奏 恐怖イベント(全6曲) OGG 00 10~00 20 ゲームの演出上必須である恐怖感を煽る曲が必要であった。 これらは最初は借り物であったが、オリジナルで行こうと鹿討奏氏に作曲を依頼した。 私と陽炎は適当に6曲ぐらいでいいや(ぉ)と注文しようとした。 そこでイメージとして2種類用意することにした。 つまり驚きや緊迫感を与える「驚愕系」と、不安感と虚無を感じさせる「絶望系」である。 ゲーム中ではイベント発生時によく流れている。 曲を聴きながら「ああこれは絶望系だな」「これは…驚愕系か」と考えてみるのも面白いだろう。 撃ち合いイベントBGM 作者 鹿討奏 C,V,Pエンド時撃ち合いイベント OGG 00 21 撃ち合いイベント時の向かい合ったディーンとジェフへのカメラがパンする際のカットイン用曲。 3回「ジャーン」となりつつ、お互いをアップにした後に引く。 この時ゾウディアック山が悠然と見下ろすような、 そんな構図になっていることに気付いただろうか? 結局彼らはゾウディアックの掌の上で踊り回っていただけであったのだろうか? Insect (C)カノ屈 お笑いシナリオ/望遠鏡の向こう側イベント MIDI 01 48 この曲を聴いて静かにニヤニヤ腹を抱えているそこのあなた! …前作をプレイ頂き誠にありがとうございます(何) 2人の男の必死の逃避行…もとい、愛と狂気の鬼ごっこ(ぉぉ) 一体、望遠鏡の向こう側で彼らは何を行っていたのか。 気になった方は前作をやり込んで下さい。 もしくは途中でトイレに行って下さい(謎) この曲を提供下さったカノ屈氏に感謝の意を。 "そ~と 500ml MIDI(本家はサーバー統合により閉鎖。2013年までのアーカイブ)",
https://w.atwiki.jp/misyeru/pages/363.html
種類 スラッシュアックス 武器名 ユクモノアックス レア度 2 攻撃力 130 スロット 0 会心率 0% 作り方・派生 素材生産:費用 - 強化生産:費用 2,000z 強化生産:武器 ユクモノ剣斧改 使用可能時期 下位 強化可能武器 -
https://w.atwiki.jp/toybot/pages/32.html
バトルアックス Mサイズ用。ヒヤデス社製。HA-460Mシリーズのアックスアーム。近距離で効果を発揮する。重量があり扱いづらいが、一発の破壊力を期待できる。 体力 250 攻撃 140 X 1 命中 90 アックス [距離 近距離] 7500bit / 150モバコイン
https://w.atwiki.jp/tsukiusa/pages/695.html
武器名 等級 氷河のアックス ユニーク 合成時の消耗量 5 所持効果(レベルによって変動) Lv.0 攻撃力** 2%最大HP 650% Lv.100 攻撃力** 3%最大HP 975% 装着効果(レベルによって変動) Lv.0 攻撃力 5989万 2000会心率 13% Lv.100 攻撃力 8983万 8000会心率 13%
https://w.atwiki.jp/toaruindexpsp/pages/41.html
自アタッカー 麦野沈利 対戦キャラ組み合わせ アタッカー パートナー 自パートナー 1 土御門元春 上条当麻 御坂妹 2 五和 インデックス 御坂妹 3 神裂火織 ステイル=マグヌス 御坂妹 4 後方のアックア なし 御坂妹 5 御坂美琴 白井黒子 御坂妹 6 一方通行 打ち止め 御坂妹 7 風斬氷華 なし なし
https://w.atwiki.jp/animesdvd/pages/380.html
緊急救命の最前線で戦う主人公たち。そして過去に起きた医療ミス事故の真相とは 数十年前の殺人事故を誘発した“医療事故”に起源する。 交通事故で搬送された患者は適切な処置を受けて一命をとりとめたが、薬物アレルギーで突然死亡した。その夜の担当看護士、張淑梅が質疑され、外科風雲 DVD薬を間違えて持ち場を離れた事が死亡原因だと言われた。 1984年6月3日嘉林市。村家は林立、柳樹は成蔭して、抑揚ある伝統演劇の調べの中で、歓楽の笑い声が伝来する。清秀な少年小斌は妹の手を引いて、特工皇妃楚喬傳 DVD母の職場『仁和病院』に向かっていた。八歳の少年の姿は憂いの心配もなかった。 しかし、院内の廊下で“胸外科”主任、修敏齊(※高鑫)の姿を見て、立ち止まった。母の張淑梅“胸外科”看護士が修敏齊を追って廊下に飛び出した。 張淑梅「私がそんなミスを犯す筈はありません。修主任、聞いて下さい。ペニシリンなんて打っていません。確かにリドカイン(Lidocaine)です。どうか調査してください」 修敏齊「やめないか。注射は君の管理の筈だ。特工皇妃楚喬傳 DVDペニシリンでアレルギーを起こした患者が今、治療中なんだぞ」 張淑梅「私は医師の指示に従っただけです。誤解です。お願いします、ちゃんと調査して下さい」 そこに、その患者は蘇生できず、死亡したと報告が来た。張淑梅は雷に打たれたように、崩れ落ちた。修敏齊は深く嘆いて、「あなたは革命烈士家族であるので、『病院』はあなたを首にすることが出来ません。いずれこの件は調査する」。警備員が駆け付けて両脇を抱えるようにして立たせ、連れて行った。修敏齊「帰宅して休みなさい」。外科風雲 DVD張淑梅は必死に頭を振って情緒は激烈で 廊下には悲痛な叫び声が響いた。「私はミスなんかしていない。私が殺したんではない」。驚いた妹は母の後を追った。 廊下むかえの部屋から“胸部外科”主刀医師、傅博文が出て来た。修敏齊は目が合ったが直ぐに部屋に入ってしまった。傅博文は少年の視線を感じた。 張淑梅の息子は他人が母を犯人扱いをする患者死亡議論を聞いて、信じなかった為に喧嘩をして罰せられた。四歳の妹を迎えに行って家に帰る途中で、妹が人さらいにあって行方不明となった。張淑梅は薬品使用錯誤で死亡させた事を非難されて精神不安となって次第に恍惚となって自殺した。残された息子は城外の親戚を頼って家を後にしたが、その後は行方不明であった。
https://w.atwiki.jp/magamorg/pages/8697.html
電脳聖者アクア・アックア R 水/光 5 2500 リキッド・ピープル/イニシエート ■マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。 ■このクリーチャーが攻撃された時、その攻撃を中止させてもよい。そうした場合、攻撃してきたクリーチャーは次の相手のターンの初めまで誰もアンタップできない。 (F)それこそ、神でなければ彼女には盾突けない。 作者:こもり 収録 「回帰編」 評価 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/meteor089/pages/230.html
ボーイ・ミーツ・トンデモ発射場ガール ep.1_Index 14 記憶回復の代償、そして未来 前へ 戻る 次へ [19764] ep.1_Index 14 記憶回復の代償、そして未来 Name nubewo◆7cd982ae ID f1514200 Date 2011/03/06 00 21 「部屋を間違えていませんか?」 当麻の第一声は、それだった。 困惑したような表情で、目の前にいる女性にそう尋ねた。 「貴方の容態を私が見に来るのはおかしいですか」 憮然とした神裂がそう返事をする。 実は目覚める直前におでこに手を当てて熱を測ったりなんてしたもんだから、内心では結構、神裂はドキドキしていた。 「いや、なんつーか。最初に見たいのはやっぱ光子の顔かなって」 「起きて最初にすることが惚気話ですか。……脳に障害でも負いましたか?」 「その台詞シャレになってないぞおい」 確証は無いが、光子が助けてくれなかったら、あの舞い散る光の羽根は当麻に何をもたらしただろう。 死か、あるいは四肢の消失や人格の破壊か。 本当に笑えない。 今更にちょっと背筋が寒くなるような思いをしている当麻の隣で、これまでと変わった様子の無い当麻に神裂は安心していた。 「それで、インデックスと光子は? ……たぶん、そんなに酷い怪我は負ってなかったと思うんだけど」 「ご心配なく。経過観察――要は湿布の張替えに行っているだけです」 「そっか」 ほっと一息つく。 二人に怪我が無ければ、当麻としては万々歳だった。 「そっか、ではありませんよ。貴方がそれほど酷い怪我をしては、あの子達が気を揉むでしょう」 「う、いやまあ、そうかもしれないけどさ」 「本当にもう大丈夫なのですか? 一応私も、治癒のための魔術に心得はあるほうだと自負しているのですが、貴方の体質に対しては全くの無力でして……。その、ここの医者を疑うつもりはありませんが、もう、なんともないんですか?」 ずい、と神裂が身を乗り出してそう尋ねてきた。 慌てて上条は怪我をしたところを思い出して、確認していく。 マズイ方向にぽっきり折れていた右手の薬指と小指はガチガチに固められている。 感覚が無いので、麻酔を打って手術でもされたのかもしれない。 ほかにも体中に絆創膏が貼り付けてあるが、どれも耐えられないような痛みを発するところは無かった。 「まあ、右手以外はほとんど大丈夫そうだな」 「そうですか」 神裂が、ふう、と安心するようにため息をついて優しく微笑んだ。 ドキリとする。 背も高くてスタイルのいい神裂は、これまで当麻の前では厳しい顔や真面目な顔しか見せてこなかった。 よく考えれば、上条より年上の、ちょっと好みのタイプなのだった。 剣を持たず険のある表情を止めて、少し野暮ったい感じの私服にエプロンでもしていたら、見とれてしまうかもしれない。 まあ剣を振るっている時の怖い顔だと好みだと感じることも無いが、優しく笑われると、こう。 いやもちろん一番好きなのは光子なのだが。 心の中で光子への言い訳を考えていると、それが届いたのか、当の本人がインデックスを連れて部屋に入ってきた。 「当麻さん! あ……」 「み、光子」 「しし、失礼しました。私はこれで」 「あ、おい」 「落ち着いたらステイルともう一度伺います」 ベッドに横たわる上条へと半身を乗り出していた神裂は、こちらの確認も取らずに、あわただしく部屋を出て行った。 「あらあら、私の知らないところで、随分あのひとと仲良くなっておられたのね?」 「ち、違うんだって光子! 今目を覚ましたばっかりで」 「目を覚ましてすぐに、口説き落とせるんですの? 私も当麻さんの手練手管に引っかかったのかしら」 「だから違うんだって」 「とうま、どういうつもりなの?」 慌てて光子に弁解していると、どうやらインデックスもご機嫌斜めらしかった。 「どう、って。ほんとにどうもこうもねえよ。つーか怒られてたんだよ。お前らに怪我がなくてよかった、って言ったら、俺が怪我してるせいで全然安心してなかったぞって」 当麻としては上手いこと言ったつもりだった。 ……逆効果だった。 わが意を得たりといわんばかりに、二人は柳眉をきりりと吊り上げて、心配を不満に変えて当麻にぶつけだした。 「そうですわ! 本当に、本当に心配したんですから……!」 「そうなんだよ! ……私、全然覚えてないし、私が悪いんだけど、でもあんまり無茶しちゃ駄目なんだよ!」 「う、ごめん。いやでも、光子が助けてくれただろ?」 「あんなの、何度も出来る保証有りませんわ! 当麻さんが危ないって思ったら咄嗟に足が動きましたけど……。当麻さんの莫迦。もっとご自分のことお気遣いになって」 「そうは言うけどさ、光子。じゃあ、もう一度あんな場面があったとして、光子はどうする? 次は危ないかもしれないから、インデックスを助けないのか?」 「……当麻さんの意地悪。二回目があったって、そりゃあ、同じことをしますわ、きっと。でもそういうことじゃありませんの! もう、怪我をした人はちゃんと反省してください!」 理屈抜きで怒られた。 ただ、自分を心配してのことだと分かるから、嬉しい。 傷つけた張本人が自分らしいと言うのは聞き及んでいるらしく、インデックスは攻める口調を途中からトーンダウンさせた。 そのほっぺたを、つねってやる。 「むー」 「もっと怒っていいぞ。お前はお前に出来る一番の選択肢をちゃんと選んだんだ。いちいち細かいことで気に病むなよ」 「でも、とうまが」 「だーから、いいんだって! ほら、結局、なんとかなったんだし」 「……えへへ、とうま」 「おう」 「みつこも。ありがとね。大好きだよ」 くしゃりと髪を撫でてやる。 光子が後ろからインデックスを抱きしめた。 光子と当麻はそっと顔を近づけあって、軽いキスを交わした。 「ん……」 「光子、愛してる」 「ふふ。私もですわ」 「だんだん遠慮しなくなってきたよね、とうまとみつこ」 「だって、あなたの前で隠すこともないでしょう?」 「んー、別にみつこが見られて平気なんだったら私はまあいいけど。でもちょっと目のやり場に困るんだよ。私は一応、イギリス清教の修道女(シスター)なんだし」 目を泳がせながら弁解をする光子に、憮然とインデックスが答えた。 当麻は慌てて話を変える。 「それでインデックス。お前、これからどうするつもりなんだ?」 「あ……」 「やっぱり、あいつらと一緒にイギリスに帰るのか?」 「……」 「当麻さん。そんな急にはインデックスも決められませんわ」 光子にそうたしなめられる。 ただ、それも本当にインデックスのことを想ってというより、自分の手元からインデックスが離れるのが寂しい光子自身が、時間を欲しているように見えた。 「ここにいたら、とうまとみつこに、迷惑かかるかな」 「えっ?」 インデックスの言葉は、二人にとっては意外だった。 「迷惑なんて事ありませんわ! でも、よろしいの?」 「うん……。最大主教(アークビショップ)が記憶を取り戻した私をどうするつもりか、分からないしね」 一度は記憶を全て手放す事を受け入れた。 それは強制ではなく、禁書目録として生きると心に決めたときに、最大主教に施してもらったのだ。 あの時は、それで良かった。 今は、それで良いというには、捨てても良いというには、大切な思い出を貰いすぎた。 「もう一度、記憶を消されるのか?」 「危険な書庫をきちんと管理するには、正しい方法なんだよ。それは」 「だからって、受け入れますの!?」 チクリ、とインデックスの心に光子の言葉が突き刺さる。 咎めるような響きがあった。 「それが嫌なら、どうしたらいいと思う?」 「俺たちか、神裂たちか、それ以前にもお前の面倒を見てくれた人がいるんだろ? その、誰かのところに転がり込むになるってことか」 「うん……そういうことを考えたときね、みつこととうま以外に、頼れる人はいないんだよ」 「え? もちろん、私達は全然構いませんけれど、どうしてあのお二人では駄目なの?」 「魔術師だから。いざとなれば私の知識を活かして、危険な魔術を行使できるから」 10万3000冊を自在に使う魔術師、畏怖を込めて人はそれを魔神と呼ぶ。 誰しもが憧れ、そして誰しもが恐れる魔術師だ。 イギリス清教の意思より優先するものを持った魔術師にインデックスを託すことは、リスクが大きかった。 インデックスの預け先になるには、魔術を使えないことが必要な条件になる。 だから当麻と光子が適任だった。 「じゃあ、決まりだな」 「ですわね。身の振り方を考えませんと」 「え? あの、みつこ、とうま」 インデックスとしては、結構恐る恐る出した提案だった。 当麻にとっても光子にとっても、インデックスはイレギュラーな存在だ。 自分がいるだけで、今までどおりの生活は送れないだろう。 それだけの迷惑を、背負わせるのは心苦しかった。 だから、心のどこかで期待していながら、快諾なんてしてもらえるわけがないと思っていた。 「住むところが一番の問題だな」 「学園都市のID発行のほうが大変だと思うんですけれど」 「そっちは神裂辺りに相談してみよう」 「それでなんとかなると良いんですけれど。それで、家のほうは……私は」 「常盤台は全寮制だもんな。そうなると、まあ、俺の家か」 「……」 光子の沈黙の意味が当麻には分かっていた。 光子に会える時間は限られている。 もとより学び舎の園という男子禁制の世界で生きている光子だ。 そうなると、当麻は光子の何倍もの長い時間を、インデックスと二人っきりで過ごすことになる。 きっと何事もないだろう、と光子は信じている。 だけど、信じる気持ちと疑う気持ちは心の中で同居するのだ。 不安に押しつぶされてしまう不安が、光子にはあった。 「住む場所って、そうだよね、一番大事な問題だよね」 インデックスはてっきり、これからも黄泉川の家で暮らせると思い込んでいた。 だがそんなわけはないのだ。 あそこはあくまで、間借りしているだけだった。 「……ちょっと、考えがないわけでもありません。でもまずは学園都市のIDが要りますわ。これが無いとどうしようもありませんし、警備員の黄泉川先生と知り合いである以上、インデックスがここで暮らすにはIDを作成するほかないでしょうね」 法の番人とは少し違うが、警備員は規律に厳しく有るべき立場の人だった。 なあなあで、インデックスを置かせてはくれないだろう。 「インデックスがここにいるのが一番だって点であいつらと合意が取れたら、やれることも増えるかもしれないだろ。あとでちょっと聞いてみよう」 「そうですわね」 そろそろ昼食時だ。 そのうちステイルと神裂は来るだろう。 三人はステイルたちや黄泉川先生が来るのを、上条のいる個室でじゃれあいながら待った。 インデックスがきょろきょろを外を見回している。 まさか高速道路を走る車に乗ったことがないのだろうか。 それについて尋ねると、 「"ハイ"ウェイがホントに高いところを走ってる国なんて日本くらいなんだよ」 とブリティッシュな答えが返ってきた。 ここは黄泉川の運転する車の中。 空には茜色がかすかに残る、夕飯時だった。 面会時間を過ぎてすげなく病院から追い出されたインデックスと光子は、今日はまた黄泉川の家に泊めてもらうのだった。 なんだかんだで数日振りの部屋だ。 イギリスへと飛んでしまって二度とその部屋には戻れないことを覚悟していたから、三人で幸せに過ごせたあの場所に戻れるのは二人にとって嬉しいことだった。 ただ、上条はいなかった。 「で、婚后。寮にはいつ帰るんじゃん?」 由々しき問題だった。 外泊届けは、二日前に期限が切れている。 黄泉川の取り成しで無断外泊という重大な校則違反こそ回避できたものの、寮長に目をつけられているのは間違いないし、一週間くらいは謹慎が出てもおかしくなかった。 親にも怒られるかもしれない。 甘やかされて育ってきたから、事実上、人生で一番の親に対する反抗だった。 ……そういう現実問題を考えると、ちょっと頭の痛い光子だった。 まあ、一番の反抗は多分、当麻という彼氏と付き合い始めたことなのだが。 「明後日の朝に、と思っていますわ」 「明日はだめなのか?」 「明日の夜が、この子が突きつけられていた『本来の』期限ですわ。あの魔術師も見届けるそうですし、当麻さんも、当然インデックスもいます。そこに居合わせられないのは、嫌ですから」 「そうか。ま、お前の校則違反のレベルじゃ、今更だしな」 「そういうことですわ」 帰り際に、二人はステイル達と会っていた。 インデックスの今後について話す為にコンタクトを取って来たらしかった。 当麻の病室で話したとおり学園都市に在留する旨を二人に伝えたところ、ある程度予想していたのか、それを受け入れて早速動き出したらしかった。 そしてその時に聞いたのが、明日の夜の予定だった。 インデックスがもともとの期日を過ぎても健在なのを見届けたら、二人は学園都市を去るということだった。 「あの二人、インデックスをあまり引き止めませんでしたわね」 「……そうだね。たぶん、私が決めるべきだって考えてくれてるんだと思う」 あれほどインデックスを救おうと努力してきた二人だ。 自分の気持ちを棚に上げて言うと、あの二人はもっとインデックスに傍にいて欲しいといっても許されたと思う。 だが、インデックスが全ての記憶を思い出したのなら、一年ごとに代わったインデックスの保護者全てが、平等なスタートラインに立つ。 だからこそ、インデックスに誰を選ぶのかと委ねたのだった。 「それにしても、魔術って言葉に、えらく馴染んだじゃんよ」 「ですわね」 嘆息する黄泉川に光子はため息交じりの笑いで同意した。 あるわけがないと、そう思っていたものが今では自分の中でリアリティを獲得している。 今でも半信半疑なところがある。 だが、もう魔術を鼻で笑って無視することはないだろう。 「あとどれくらいでつくの? おなかすいたかも」 「病院食は質素ですものね。あと20分くらいかしら」 「そんなところだろうな。けど晩御飯が出来るまでは一時間以上あるじゃんよ」 その一言でインデックスがげっそりとなった。 黄泉川が差し出してくれた眠気覚まし用のガムはおなかの足しにはなりそうにない。 ぐでー、ともたれかかってきたインデックスに膝枕をしてあやしながら、光子は隣に当麻がいない寂しさを感じていた。 ……夜、晩餐に当麻がいないときには、もっと寂しさを感じた。 「おはよ、とうま」 「ごきげんよう、当麻さん。お加減はいかが?」 「おはよう。二人とも。まあ手以外はもうほとんど大丈夫だ。手は固められてるからよくわかんねーんだ」 黄泉川家で一晩過ごし、朝一番に二人は上条の病室を訪れていた。 どうせ今日の夜までは落ち着かないし、それならここにいるのが一番だという結論だった。 社会人たる黄泉川の都合に合わせた光子たちも、することがなくて早く寝た当麻も、夏休みとしては充分朝早い時間から、しゃっきりと目が覚めていた。 「悪いんだけどさ、これからすぐに検査があるから、ちょっと待っててくれるか」 「あら、そうなんですの」 「ごめんな」 「ううん。当麻さんのベッドで二人で待ってますわ」 「……あ、うん」 「どうかしましたの?」 当麻が歯切れの悪い返事をした。 理由に特に思い当たらない。 座り心地の悪いソファよりはインデックスも自分もこちらのベッドに腰掛けるほうが楽だった。 別にベッドに座られるのが嫌だということはないだろうと、思う。 隣のインデックスも首をかしげた。 「ベッドで、彼女が待つってさ」 「え……あっ! もう! 当麻さんのエッチ!」 「とうま何考えてるの……」 「そうですわ! 私達って私言いましたわよね? まさか当麻さんインデックスまで」 「馬鹿! 違うって!」 結構光子はエッチな話に免疫がないのだった。 それでいてキスのときとか、表情が中学生と思えないくらい大人びていて、当麻はつい惹き込まれる。 「うー、みつこ。とうまはエッチだからこの部屋にいないほうがいいんだよ。ここにいたらうつされるかも」 「人を変な病原体の保持者みたいに言うな」 「むー! ほっへたはあめあんだよ!」 頬をつままれて呂律が回らないままインデックスは抗議する。 摘んだまま、当麻が手を頬からビッと離すと、歯を見せてぐるぐるとインデックスが唸った。 「とうま。怪我は治ったんだよね?」 「え? 今から検査だけど」 「治ったんだよね?」 返事を聞いちゃいなかった。 靴を脱いだかと思うと、すぐさまインデックスがベッドの上に上がって、掛け布団の上から当麻にまたがった。 ちょうど当麻の腰の上に、インデックスが腰を下ろした位置関係だった。 「お、おいインデックス」 当麻の戸惑いは、インデックスが怒っていることにではなくて、きわどい体位にインデックスがいることに起因していた。 それにまったく気づかず、インデックスはキシャァッと鋭い歯を見せて。 「止めろって、おい、あいででで! 痛い、痛いって!」 「これは仕返しなんだよ! いつもいつもとうまはみつこには優しくするくせに私にはいっつもいっつも意地悪ばっか!!!」 「そ、そんなことないだろ! それに光子は彼女だ!」 「別にみつこといちゃいちゃしてもいいけど私にももっと優しくして欲しいんだよ!」 文句を雨あられと降らせながら、インデックスはガジガジと上条の頭皮を削っていく。 ちょっと健やかなる毛髪の育成が心配になる当麻だった。 「わ、わかったわかった。じゃあ何すればいいんだよ? 光子みたいにキスしろってか?」 「え――――」 勿論、冗談だった。 冗談ぽく聞こえるように言ったつもりだった。 だというのにインデックスがピタリと硬直して、さっと頬をピンクに染めて、誰もいない窓のほうを向いた。 隣にいる光子が頬に手を当てて、ふう、とため息をついた。 「あらあら当麻さん。とてもおもてになる当麻さんは、私一人ではやっぱり満足ましていただけませんの? よりによって、インデックスだなんて。むしろ勇気があるって褒めてあげるべきなのかしら」 「い……いやいやいや! 違うんですよ光子さん! 今のは、決して」 「……とうまのばか」 ちょっぴり顔を赤くしたまま当麻のベッドを降りるインデックス。 貼り付けたような朗らかすぎる光子の笑顔が消えるまで、当麻はひたすら謝りとおした。 当麻のいないベッドで、光子とインデックスはごろごろする。 検査のためについさっき出て行ったばかりなので、当麻の温かみと、匂いが残っていた。 インデックスが枕をぎゅーっとしているのが光子は気になった。 それは自分がしたい。 というか、まさかとは思うが当麻の匂いを求めて抱きしめてるんではなかろうか。 「その枕、そんなに好きですの?」 「え? 別にそんなことはないけど。光子はベッドで横になると抱きつくもの欲しくならない?」 「いえ、あまり……」 なるほど、と光子は納得した。 寝ている間にインデックスに抱きつかれた覚えが、インデックスと同じ家で寝た夜のと同じ回数分だけあった。 二度ほど、あろうことかインデックスは当麻のほうに行こうとしたこともあった。 どうも悪気がなさそうだったので、あまりやきもきせずにきたのだが、それは当たりらしかった。 まあ、インデックスが本気で当麻に気があるのなら、自分はインデックスと一緒にはいられないだろう。 インデックスは美人だ。 あと数年もすれば、きっとすごいことになると思う。 そのときに、自分はインデックスよりも魅力的な人でいられるだろうか。 人は外見だけではない。 そう思いつつも、焦りが無いといえば嘘だった。 「えへへ、ねーみつこ」 とはいえ、今においては全くの杞憂。 当麻の匂いなんてまるで気にしていないのだろう。 ぽいっと枕を近くにおいて、インデックスがぎゅっとしがみついた。 「なんですの? インデックス」 「こうやってだらだらするのもいいね。とうまがいないとちょっと物足りないけど」 「ふふ。でも当麻さんがここにいたら、またほっぺをつねられますわよ?」 「あれほんとにひどいよね。わたし、悪いことしてないのに」 光子は当麻の気持ちが分からないでもない。 可愛いからつい意地悪をしたくなるのだ。 当麻のまねをして、インデックスのほっぺたをつまんでみる。 むー、と拗ねる顔を期待したのだが、軽く驚いた後インデックスは笑い返してきた。 そして光子の頬をつねった。 別に痛くはなかった。 当麻のつねり方はもう少し強いのかもしれない。 「みふこがはなはないほはなひてあげない」 「いんでっくふこそはきにはなひて」 ぷにぷにと頬を上下させながら、わかるようなわからないような会話を続ける。 「正直に言うとね、インデックス」 「なあに?」 「どんな事情であれ、私と当麻さんの所に残ってくれるって決めたこと、嬉しかったですわ」 「……邪魔じゃなかったかな? 私がいなければ、とうまとみつこはふたりっきりになれるし」 「いいんですのよ。あなたがいなければ、黄泉川先生の家であんなに同棲みたいな事をすることも出来ませんでしたわ」 損得勘定をすると、得だったかもしれないとさえ光子は思う。 補習三昧の当麻とは、毎日会える時間も知れているだろう。 夏休み前の延長みたいな、そんなデートしかしなかったと思う。 インデックスを間に挟んでだが、当麻との距離がすごく縮まったのを光子は感じていた。 「良かった。ちょっと、邪魔だって思われてないかって気になってたから」 「じゃあこれからはもう気にしないことですわね」 「うん。とうまもおんなじかな?」 「きっとそうですわ。ふふ、気になるなら後で聞いて御覧なさい。きっと、つまんねーこときくな、ってほっぺをつねられますわ」 「うー、それは嫌かも」 心底嫌です、といった顔を作るインデックスにクスクスと笑いかけて、そっとフードや修道服の乱れを直してやった。 ついでに短めの自分のスカートも直した。 検査がどれくらいかかるのか分からないが、あまり長いと寝てしまいそうだと思う光子とインデックスだった。 ザリザリという音をさせながら、当麻は階段を上る。 砂とホコリで汚れた階段だ。 無理もない。 打ち捨てられてそれなりの年月を経たビルだった。 隣には、光子とインデックスと、黄泉川。 「夜の屋上は、やっぱり落ち着きませんわね」 階段を上り詰めて、空を見上げて光子が発した第一声がそれだった。 まあ、言いたいことは分かる。 当麻は屋上で重症を負ったし、光子はギリギリのところで当麻の死を回避した。 そしてインデックスは無意識にせよ、それほどの窮地へと二人を追い込んだ本人だった。 階段を上りきると、あの時と同様に、床一杯に張られたルーンと、そして二人の魔術師。 「随分と回復したようだね。上条当麻」 「ああ、おかげさまでな」 「貴方の治癒に関しては、我々は何も出来ませんでしたが」 時刻は午前零時。 インデックスが何の処置も受けなかったらそこで死ぬはずの予定時刻から、ちょうど十五分前だった。 全ては解決したと、おおよそ誰もがそう思っている。 だがこの死線を潜り抜けるまでは、安心できない。 何かがあってもいいようにと選んだのがこの廃ビルの屋上だった。 「インデックス。正直に答えてください。頭痛など、体の不調はありませんか?」 真剣な目で、神裂がインデックスを見つめた。 もちろんずっとと奥から見守っていたから、そんな素振りを見せなかったことは知っている。 だが、それでも確認はしておかねばならない。 「大丈夫だよ。体におかしなところはないし、晩御飯も一杯食べたから」 「ふふ。あれは食べすぎです」 神裂がそう返事をする。 夕食を一緒にとった覚えはないのだが、どこかから見ていたのだろう。 「育ち盛りだしいいじゃないか」 「ステイル。あれが適正な量に見えたのですか?」 「なんだ。正直に言うほうが正解かい? あれじゃ、太るよ」 「……ふんだ」 思ったより反応が薄いことにステイルと神裂は少し戸惑った。 少なくとも一年前なら、ひと喧嘩やらかすくらいのネタだったはずなのだが。 そうやって、お互いの距離感を測りなおす。 「そうだ、インデックス。これを」 「え? これ何?」 「学園都市のID……ですわね」 「こんなもの、どうやって手に入れたじゃんよ?」 疑うような声で黄泉川がそう尋ねた。 当然だ。偽造カードを見過ごせる立場の人ではない。 この場くらいいいじゃないかと、思わなくもなかったが。 「正式に統括理事会、だったかな。この街の上層部から発行されたものだよ。僕ら魔術師は超能力なんてものがこの世に存在するのを認めてないし、同時にこの街のトップも魔術師を認めてない。それが建前さ。だけど、裏ではちゃんと話を通すためのラインが繋がってる。だからむしろ当然だと思って欲しいね。こっちとそっちの上が話し合って、決まった結果がこれだってことさ」 ステイルはインデックスの手のひらからIDを取り上げて、黄泉川に渡した。 偽造技術もレベルの高い学園都市で、チェックを目視でやるのは無意味に近かったが、黄泉川はカードの表から裏まで全ての情報をきっちり読んだらしかった。 「ま、事務所に帰ってきちんと調べるじゃんよ。それで婚后。インデックスがこの街に残るなら、相談があるって言ってただろ。ちょうど暇だ、今でいいか?」 「ええ、私はそれで構いませんわ」 ちらりと、光子が当麻のほうを見た。 それに頷き返す。 三人で話し合って、決めた結論だった。 とはいえ、結論などと胸を張って言えるものじゃなくて、誰にどうお願いするか、ということなのだが。 「インデックスを誰がどこに住まわせるか、が問題ですわよね」 「だな」 「私達が預かるからこそ、『必要悪の教会』はインデックスの在留を認めたのですわ。ですから、少なくとも私達のどちらかは、この子と同居する必要があります」 「どちらか、な。まあ常識で言って上条はないじゃんよ」 「となれば私が一緒にいることになりますけれど、私は今、常盤台中学の寮にいるのですわ」 「だから、現状では一緒には住めない、と。ここまでは分かってる。で、何が決まったんだ?」 三人はすっと、姿勢を正した。 離れたところで神裂も同様にしていた。 「この子と私の二人を、先生の家で面倒を見ていただくことはできませんでしょうか」 「……」 皆、腰をきちんと折って、そうお願いした。 「答える前に質問だ。婚后、それって可能なのか?」 「はい。自律を促すため、という名目で常盤台の学生は学生寮に住むのですわ。もちろん能力者として価値の高い学生を集めていますから、セキュリティ上の都合もありますけれど。逆に言えばこうした問題をクリアできるなら、申請すれば学生寮以外の場所に寄宿することも認められていますの。監督責任者が親類でないこと、信頼できる身分の人間であること、女性であること、といった条件ですわ」 「まあ、あたしは適任って事か。で、婚后。いつまでいる気だ?」 「……短いほうがよろしいのでしたら、他に引き受けてくれる方をなるべく早く見つけるようにします。それと、高校は自由の利くところを選ぶようにしますから、私が卒業するまで、最長で一年半です」 「ほかの引き取り手に心当たりは?」 「……今のところは、その」 「ふむ」 黄泉川の中で、答えはすでに出ていた。 実はそれほど抵抗もなかった。 たぶん問題のある学生を泊めるのが好きな知り合いの教師の影響だとは思う。 それと、光子の性質もそう悪くはない。 調べた限り相当のお嬢様だったが、家事などもそれなりに積極的だった。 甘やかされてはいたのだろうが、他人のために尽くせるいい性根の持ち主だ。 出来の悪い子好みな性分から言えば上条のほうがしごき甲斐があるが、まあ、同居人に求める資質ではない。 「上条」 「はい」 「仮に、婚后とインデックスがうちに住むとして、お前はどうするんだ?」 「いや、俺は男ですし、一緒には無理ですよね?」 「要するに、お前が通い婚をするわけか」 「通い婚って……まあ、会いに行っても良いなら、行きたいですけど」 「そうか」 当麻も、ちゃんと線引きは分かっているらしかった。 なら構わないだろう。 「婚后、インデックス。一年半先までどうなるか保証は出来ないけど、しばらくはウチに来い。面倒見てやろうじゃんよ」 「ホント? いいの?」 「もちろんお客様じゃない。別に楽をしたいわけじゃないけど、家の仕事はきちんと引き受けてもらう」 「当然ですわ。あの、それじゃ、ご迷惑をおかけしませんよう気をつけますので、どうぞよろしくお願いいたします」 再び、光子がぐっと頭を下げた。 当麻とインデックスもそれに習う。 黄泉川が神裂に目をやると、神裂も御礼をした。 「無事に決まって、こちらとしても安心しています」 「さて、それじゃあ後はインデックスのデッドラインを見届ければ、めでたくハッピーエンドだな」 当麻は時計を持っていない。 後何分あるかは分からないが、万が一に備えて、治ったばかりの右手を確かめるように握り閉めた。 その当麻を、ステイルが馬鹿にしたように鼻で笑った。 「もう終わったよ」 「え?」 「君たちがお気楽そうに話をしている間に、もう時間がとっくに過ぎてしまったよ」 光子が慌てて時計を見ると、零時十七分を差していた。 インデックスを見ると、まるでなんともなかった。 杞憂は、無事に杞憂のままだった。 「さて、それじゃ長居しても仕方ない。帰ろうか、神裂」 「そうですね」 荷物らしい荷物もない二人は、軽く身だしなみを整えるだけで、もう出発の準備を終えた。 当麻は傍らのインデックスを、ぽんと押し出してやった。 一瞬インデックスがこちらを見て、そして神裂とステイルのほうへと歩き出した。 「ありがとね、ステイル、かおり」 「礼を言われるようなことじゃあないよ」 「そうだったね」 その答えに二人は微笑んだ。 ずいぶん遠い昔に交わした約束を、インデックスが覚えているという証明だった。 「また、会いに来ます。暇はあまりありませんが、年に一度くらいは、必ず」 「うん。待ってるね」 ぽん、とステイルがインデックスの頭に手を置いた。 神裂がインデックスを抱きしめた。 それに微笑を返す。 「それじゃあ、また」 「うん」 別れはとてもあっけなかった。 むしろ隣で見ている光子と当麻、そして黄泉川のほうがそれでいいのかと気にするくらいだった。 黄泉川家に帰ってきて、インデックスは光子たちに気づかれないように、そっとため息をついた。 ようやく、この心苦しさから少し開放された。 それは根本的な解決ではない、というか、解決なんて一生しないものだ。 インデックスは記憶を取り戻した。 それは、嘘ではなかった。 初めて神裂とステイルに会ったその瞬間から別れ際まで、時系列に沿って全ての思い出をインデックスは書き出せる。 とても幸せな日々だった。 確かに記憶は、戻ったのだった。 でも。例えば。 インデックスにとって、神裂とステイルとの幸せな日々の始まった日は、大好きな『先生』と別れた日でもあるのだ。 『先生』も自分にはよくしてくれた。 必ず思い出させてみせると、不幸な境遇から救い出してやると誓ってくれた。 そんな『先生』を、自分は、どれほど恩知らずの恥知らずでもやらないほど完璧に、忘れたのだ。 『先生』が涙して、自分も涙して、お別れをしたその数時間後には、自分は神裂とステイルと仲良くなり始めていた。 そして一年後、自分はまた、『先生』の時と何も変わらず、ただ、隣にいる人だけをとっかえて、泣きじゃくっていた。 次に目を覚ましたときも、神裂とステイルがいてくれた。 二人を思い出せない自分に、絶望する顔が鮮明に浮かぶ。 薄情にも許される限度があるだろう。 これは殺されていい程度だと、自分でも思う。 二年目の二人は、疲れていくばかりだった。 一年目と比較できる今なら、ようやく分かる。 不安と諦めが、二年目の終わりの二人には会った。 こんなによくしてくれた人を、よくもここまで苦しめられるものだ。 自分の浅ましさに、窒息しそうになる。 そして、三年目。 自分は一体どんな感情を持っていただろう。 勿論それだって覚えている。 これは記憶を消されていない部分だから当然ともいえるが。 神裂とステイルに、憎しみを覚えていた。 二人は理不尽の象徴だった。 人と関わることを許さないように、つかず離れずで二人はインデックスを追い詰める。 どうして私が、と誰に対しても吐き出すことの許されなかった苦しみを、心の中でインデックスは全て二人に背負わせた。 そんな最低の自分にできることはなんだろうか。 謝ることなんて、もう無意味だ。 とても償える額の負債ではなかった。 せめて、喜ぶ二人のために、一年前か、二年前の自分でいてあげようと思う。 確かにそれも、自分だったのだから。 インデックスは一年以上前のことを、確かに思い出した。 ただそれは、記録としての記憶に、アクセスすることが可能になった、というだけ。 記憶を、自分の記憶として引き受けたという、そういう意味ではなかった。 リアリティがないのだ。 いつ、だれと、どこで、何をしたのか、それを全て覚えている。 だというのに、それを行ったのが自分だったという実感だけが、得られない。 それは当然だった。ステイルや神裂といた頃の自分は、その時点で持っていた記憶だけを頼りに生きる自分だった。 こんな俯瞰的な視点で過去を見た自分は今までにいない。 今の自分は、もう、いままでのどのインデックスとも別人だった。 救おうとしてくれた人の期待に応えるインデックスでは、ない。 神裂とステイルが愛したインデックスは死んだ。死んで、しまったのだ。 自分にとっての救いは、光子と当麻だった。 彼らに愛されたインデックスは、自分だ。 正しいことは分からないが、自分にとって幸いなことに、自分は光子と当麻が好きなインデックスだという、自覚があった。 だから、こうして、ソファで三人座っている今の時間が、たまらなく幸せだ。 だけどそれは、二人にとっての幸せではない。 あれだけの人に支えてもらいながら、光子と当麻にしか心からの感謝を見出せない自分は、きっと二人にとってもお荷物だと思う。 嘘つきだし、不誠実だ。 そんな内面を、二人に説明するのが怖い。 嫌われたら、沢山の人に沢山のものを貰ったはずの自分が、全てを失った人になってしまう。 テレビがよく分からない番組を流している。 画面越しに見る人くらい、自分が空虚になった気がした。 「インデックス。もう眠い?」 「えっ? ……うん、そうだね」 「もう遅い時間ですものね」 明日の朝から早い家主が、一番風呂だった。 三人はこれからお風呂に入る。 眠くもない目をこすると、光子が布団を敷くといって出て行った。 当麻と二人きりになる。 じっと、見つめられた。 その視線にドキリとするより、当麻の言葉のほうが早かった。 「お前、隠し事、何かしてるだろ」 答えなんて、言えるわけがない。 むしろ指先が震えそうだった。 真夏の、冷房もまだろくに聞いていない部屋で、そんなことになったら怪しまれるに決まってる。 今でももう怪しまれているのだから。 「隠し事、って?」 「あいつらを見送ったとき、お前は何かを取り繕うような顔をしてた」 「別にそんなことはないんだよ」 「あいつら、気づいてたかな」 「……」 「浮かれてたから、そうでもなかったかもな」 インデックスはむしろ、当麻にこんなことを言われていることに驚いていた。 心の機微に気づくなんてことからは、遠い人だと思っていたのに。 「お前、全部を思い出したはいいけど、昔のことを割り切れてないんじゃないか?」 あまりに、核心をついた一言だった。 避ける余地すらなかった。 目を合わせられない。 糾弾する人の顔を見られないのは、疚しい自分にとって当然だった。 だが、無理矢理にでも目を合わせるようにと、当麻がインデックスの正面に回った。 逃げられずに、目を合わせてしまう。 ただその目を怖いとは、思わなかった。意外だった。 優しい目をしているわけではない。 ただ、案じてくれて、すがりたくなる、そんな目だった。 「私を助けてくれた人たちのために、私は、その人たちのインデックスでいなきゃいけないんだよ。救ってくれた人に、せめて、それくらいは」 「ばーか」 本当に馬鹿にするように、当麻がそんな返事をした。 むっとする。 「救われたのはお前じゃないんだよ。きっと」 「え?」 「お前が幸せでいてくれることで、救われるやつってのがいるんだよ。まあお人よしって言うんだけどな、そういう連中のことは。……そういう連中にとって一番は、今、お前が幸せでいることだろ」 「でも、私、それじゃ何も返せない」 「代償が欲しくてやったと、思ってるのか? そういう側面も有るだろうさ。けど、例えばステイルと神裂にとって、一番大切な目標はなんだったと思う? 自分たちを思い出してもらうことか? それとも、記憶を失うことで不幸になる、そういうお前を救い出すことか?」 「……」 「仮面を取り繕ったって、誰も幸せにはならねえよ」 「そう、だね」 でも、どうすればいいのだろう。 もう一度神裂とステイルに会ったとき、落胆させればいいのだろうか。 「また仲良くなれよ。喧嘩でもして仲悪くなったと思えばいい。ただの仲直りだ」 「うん」 「俺たちとだって、そうやってやり直せばいい」 「え?」 「会って高々一週間の付き合いだ。気まずさなんて、すぐ薄れるだろ? だから――」 当麻が思い違いをしていることにインデックスは気づいた。 ステイルたちに疎遠な感覚を覚えてるのとは違って、居心地が悪いのにここにいるわけではない。 本心を偽って、ここにいるわけではない。 唯一ここ、当麻と光子の隣は、自分の居場所なのだ。 「光子と当麻には、嘘ついてないよ」 わかって欲しくて、真剣な響きを込めて当麻にそう伝える。 だが、これすらも取り繕いだと思われたら、どうしようか。 心に差した不安が膨らむより前に、後ろから声をかけられた。 「じゃあ、一緒にいたいって、本当に思っていてくれてますの?」 振り返ると光子がいた。 当麻とは全然違う、優しい顔だった。 二人がいてくれて良かったと、インデックスは思う。 過去に向き合う勇気を当麻はくれた。 今という居場所を光子はくれた。 「みつこ、とうま」 「ん?」 「なんですの?」 「大好き。すっごく、大好きだよ」 「私もですわ」 「俺もだよ。……言ってて恥ずかしいな」 もう、とたしなめるように光子が当麻に笑う。 そして光子と二人で笑いあうと、当麻が髪を撫でてくれた。 「ま、それじゃあこれからもよろしくな、インデックス」 「うん」 あっさりとした、そんな言葉のやり取り。 幸せな日々をはじめるのだと、そうインデックスは笑って誓った。 *********************************************************************************************************** あとがき これで第一巻分の内容が終了となります。お付き合いくださって、ありがとうございました。 この後は軽い目のお話を少し挟んで、能力体結晶編(アニメ版超電磁砲の後期エピソード)に触れていこうと思います。 アニメを視聴されていない方にも分かるよう、なるべく説明を端折らないようにしながら描いていく所存です。 これからもよろしくお願いします。 さあ、お待ち兼ねの佐天さんが動き回る章に突入です! 前へ 戻る 次へ
https://w.atwiki.jp/hammerfairy/pages/134.html
バトルアックス 戦闘用に強化された樵斧 打撃/斬撃 装備可:アナ 全国の木こり代表、 与作さんが使っていたといわれている 由緒正しい斧を戦闘用に改造した。 「余計なことしやがって……!」 怒りに囚われた与作さんは、 鍛冶屋に乗り込んで、その切れ味を鍛冶屋さんで実証した。